戸田徹郎司法書士劇場

佐賀の戸田徹郎 司法書士事務所のつれづれです。

司法書士のお仕事紹介(民事調停代理)

約3カ月振りの投稿となります・・当ブログ管理人&劇場支配人の戸田です。

5月も中旬を過ぎ、もう初夏の気候と日照時間ですね。朝昼の寒暖差で風邪を引きそうです(=_=;)

 

さて、定期的にと思いつつ不定期に当事務所で実際に行った司法書士業務を紹介していく主旨の本ブログですが、今回は表題にもあります民事調停代理です。

 

民事調停とは大雑把に言うと、お金の貸し借り等の民事事件に関して、裁判所で行う「話し合い」のことです。

当事者同士では上手く話がまとまらないような場合に、話し合いの場所を裁判所へ移し、調停委員という方に間に入ってもらって、基本的には和解に向けた話し合いを行うといった感じです。

 

裁判所は家事事件に関しては「調停前置主義」という決まりがあり、この調停前置主義とは「紛争ごとが起きた際にいきなり訴訟を提起する(裁判をする)のではなく、その前段階として調停(話し合い)を行いましょうよ」というものです(おそらく)

法的拘束力はないものの民事事件に関しても訴訟前の調停は推奨されていて、実際訴訟における費用・精神的な重圧など過度な当事者負担やその後の紛争当事者との関係までもを考えると「話し合いで解決するのであればその方がいいよね」というのが現場の印象です。

 

訴訟に関して何故に過度な負担があるのかはまた別の機会に紹介するとして、民事調停に関してですが、正直無事に話し合いがまとまって終わるということはあまり多くない印象です。

そもそも当事者同士で解決できないところまで話がこじれているわけなので、相手方が話し合いに協力しなければ(調停に出てこない・和解をする気が無い)、調停は不調(話し合いがまとまらず調停終了)に終わり、次は訴訟に移行するということになるので、調停申立てをしたこと自体が意味がなかったことになります。

 

ただし紛争当事者の間で「これ以上大事にならずになんとか問題を解決したい」という共通の思いがあるのであれば、調停が上手く機能して紛争解消に至るケースもあります。

ちなみにうちの事務所では本人調停も含め今までに5件調停をしましたが、3件不調で2件成立でした。

ただし成立した事案は、僕の依頼人側がかなりの譲歩をしてなんとか成立したという事案でした。

 

さてそんな調停手続きですが、簡裁代理権を持っている司法書士は当然ながらこの調停も本人の代理で裁判所に出頭できます。

そして個人間の民事事件においては訴額が140万円以下(簡易裁判所の管轄)の案件も多いと思われます。

僕は3件は代理で調停をしたのですが、まあ正直なかなか調停を代理で行うのは難しいという感想です。

「和解のための話し合い」ですから、期日当日はその場で決めることはそれほど多くない訴訟と違って、調停期日のその場において和解のための譲歩案を決定をしなければならないことが多く、調停委員に事実関係等を聞かれたときに直ぐに返答できなければいけない状況になることもあります。

 

それが何故難しいかというと、

調停期日までに依頼者本人から事実関係の詳細な確認や予想される和解案の綿密な打ち合わせ等が必須となりますし、事前にかなり打ち合わせをしていたとしても、当日相手側から思いもよらない提案が出た場合、やはりその場でその提案を飲むかどうかを決めなければならないからです。

 

僕は期日前に予想できることを打ち合わせしたうえ、代理の場合でも調停期日の時間は依頼者に電話が取れる状態を作って貰い、予想していなかった内容に関してはその場で本人に電話で確認をするといった感じで調停での交渉を行っていますが、その案件において僕自身が理解できない専門的な内容がある場合は、代理ではあるけれども依頼人本人にも調停期日に来て貰い調停委員に直接説明して貰ったこともありました。

 

少し話は飛びますが、昔映画等を見ていて「交渉人」という人が何故必要なんだろうな~と思ったことがありました。

映画の中でスーツ姿の「ネゴシエーター」は莫大な報酬を取っていましたし、事件に関しては本人が一番詳しいんだから本人が交渉すればいいのに?という疑問でした。

 

ただ、今の仕事をしていると、代理人にしろ交渉人にしろやはり世の中には必要だな~と実感します。

専門知識がなければ有利な交渉が行えないことはありえますし、様々な要因で本人が自分の意思を明確に相手に伝えることができないことも多いからです。

腕の良い交渉人というのは、事実関係を明確に把握したうえで、本人の意向を正確に汲み取り、専門知識・交渉術を駆使して交渉を有利に進められる人だと思いますが、なかなか難しい話です。。。

 

司法書士も専門職として、今後はこういった交渉人としての需要も増えてくるんじゃないかな~と勝手に思ってますが、報酬に低い上限があるので割に合う仕事ではないな~とも同時に思うところであります。

 

・・・今回も長文の割に結局とりとめの無い内容になってしまいました。。。

まあ司法書士の仕事にはこんなのもあるんだよーという紹介ということでご勘弁願います。

 

次回は、つい最近、自分の中で割と長い間の検討事項であった休眠抵当権抹消における相続人調査の内容に関して、条文解釈や懲戒事例・日司連の紹介回答を基に一つの結論に達したので、そんなことを紹介しようかなーとか思ってますが・・あまりに専門的過ぎるのでホントに書くかは分かりません( ̄▽ ̄;)