業務こぼれ話(地上権設定編)
またまたブログの投稿が空いてしまいました(-_-;)
ネタはあるのですが、書く気力と時間が無い今日この頃です・・・
さて今日は前に少し触れていた去年行った登記でレアものだろうなーと思えるものを紹介します。
下の申請後の登記簿謄本の写真ですが、登記に詳しい方は珍しいということは見れば分かって頂けると思います ↓
まず地上権の設定ということ自体が、所有権移転や抵当権設定などに比べてあまり数が多くありません。
そして今回何がレアだったかというと、地上権の目的と存続期間です。
そもそも地上権という権利は、用益権と言われるもので他人の土地をその目的にそって使用できるという権利です。
賃借権に似ていますが民法上では物権に位置づけられており、イメージとしては賃借権よりもより強い権利といった感じです。
今回とあるお寺が背振の山の一画を「樹木葬」の墓地として使用したいというお話が始まりでした。
自分もまだ詳しくはないのですが、墓地というものは簡単に作れるものではなく、ちゃんと行政に墓地経営の認可を取らなければなりません。
通常は宗教法人であるお寺さんなどが所有している(所有権がある)土地を対象に行政の墓地経営認可を取り、認可が下りたらその土地を墓地として造成し、現況が墓地に変わったら登記簿の地目を「墓地」に変更し非課税になるという流れのようです。
ただ今回はお寺さん所有ではなく他人が所有している山を樹木葬に使いたいということで、まず行政の認可を取るためにお寺が長期間その土地を使える権利を公示する必要があり、地上権を設定するという運びになりました。
そこで問題になるのは地上権の「目的」です。
最初は「墓地経営」という目的を考えていたのですが、そもそもよく考えてみたら地上権はその土地に対する「竹木又は工作物を所有するため」に設定ができる権利なので「経営」のためには設定できません。
そことで思い出したのが受験中見かけたことがあった「霊園所有」という目的です。
「霊園」の定義はかなり広いので、樹木葬として使う場所も霊園の範囲に入るであろうと考え役所に確認したところOKが出たので、法務局とも打合せの結果今回の目的が決定しました。
そして「期間」も認可が下りるには長くお寺が使えることが必要ということで、これまた受験ではメジャー論点であった「地上権は期間を永久とすることができる」というものを使いました。
所有権を侵害することになるので認められないという反対説もあったけれど、契約なので解除も可能ということで、永久という期間設定も認められるという例のやつですね。
受験生で勉強しているときはただ丸暗記的に覚えていたことですが、実際にこういった目的・期間を使う場面もあるんだなーと驚いた案件でした。
まだこの件は全て終わったわけではなく、無事に認可が下りて樹木葬として山が使えるようになることを願うばかりです。
お寺などの宗教法人関係は田舎では意外と多いらしいのすが、今年3月辺りの宗教法人(お寺)の合併の話も今受けています。
これも割とレアだと思うので、無事に終わったらまた報告できればと思います。
佐賀はインフルエンザが大流行していますが、今倒れると事務所的が大変なことになるのでなんとか持ちこたえたいです・・・
皆様も手洗いうがいなどの予防を怠りなく!
それではまた次回公演もご期待ください☆