ゆく年くる年(失敗談完結編)
皆様こんばんは、当劇場支配人の戸田です。
年末はやはり何かとバタバタしておりまして(昨夜ようやく年賀状を出しました)、ブログ更新の間隔が空いてしまいました(-_-;)
そして今日はなんと大晦日ですね!紅白に笑ってはいけないです!
おそらく更新も年内最後になると思います(笑)
今年は週末を挟み9連休ということで、年末年始は海外旅行に300万人?の方がお出かけするとニュースで言ってました。
ちなみに私は海外旅行には一度も行ったことがありません( ̄▽ ̄)
今年のお正月も例年通り福岡の実家に戻っております。
さてまた前置きが長くなり過ぎて本題が終わらないといけないので、前々回からの続きです。
相続登記のお話なのですが、
これは最初に事務所に相談に来て頂いてから登記が完了するまで9ヶ月以上かかった案件です。
ご存知の方も多いと思いますが、相続登記というのは不動産の所有者である不動産登記簿上の名義人が亡くなったときに必要となる手続きで、亡くなった方(被相続人と言います)が遺言書などを書いていない限り、相続人の誰か一人が土地などの名義を単有で承継するには、遺産分割協議書などに相続人全員の実印での押印が必要になるというやつです。
この相続登記のやっかいなところは、被相続人が亡くなってから時間が経っている場合で相続人が多数に上るときでも、相続人全員の実印を集めなければならないというところです。
大前提として相続登記自体(というか権利部の不動産登記自体)はあくまで任意なので、するかしないかは当事者の意向次第です。
そして往々にして相続登記がなされずに長い間被相続人の名義のままになっているというときは、相続開始当時遺産分けの話が上手くまとまらずに先延ばしにしていたということが多いようです。
なので相続登記は相続が開始してから(被相続人が亡くなってから)時間が経てば経つほど難易度が上がっていきます。
相続関係図を見たことがあるという方はイメージできると思いますが、相続人はねずみ講の様にどんどん人数が増えていきますので、集めなければならない実印もどんどん増えるからです。
今回のお話の案件も土地の名義人である被相続人が亡くなったのが昭和30年頃で、既に亡くなった相続人の方も含めると相続関係図には44人もの相続人が記載されることとなり、実際に集めなければならない実印の数も16人分に上るという案件でした。
そしてこういった複雑な案件も、仕事に慣れてきて徐々に実力が付いてきたというタイミングを待ってくれるわけではなく、開業2ヵ月後ぐらいにいきなりやってきたりするわけです・・・
実際に何が失敗だったかというと、相続人の見落としです。
元々昔は現代と違って子沢山の方が多いのですが、相続人の一人に内縁の妻二人との間に子供が14人いるという方がいらっしゃいました。
内縁の妻と書いたのは先妻・後妻にあたる方どちらとも籍は入れておらず、子供は全てかは分からないですが14人認知をしているという戸籍でした。
今回被相続人の直接の相続人に当たるのはその後妻の方だったのですが、後妻さんの子供の中に、奥さんの連れ子はいたけれど自分の直接の子供はできないまま亡くなった方がいて、その方の相続分が腹違いの兄弟である先妻の子供にまで及んだという事例です。
通常認知をした場合母親の戸籍の方に子供の名前が入ることが多いのですが、何らかの理由があり父親の方の戸籍に入っている子供がおり、腹違いの兄弟がいるということが発覚しました。
ここまでの事実関係を説明しているだけでもなかなか分かりにくいとは思うのですが、実際とても分かりにくい話で、最初申請を出したときは腹違いの兄弟の相続分を考慮することができず後妻さんの子供の実印が全て集まったのでOKと思い申請を出しました。
法務局のチェックにも随分時間がかかっていたので嫌な予感はしていたのですが、案の定電話がかかってきて前述の相続人見落としが発覚しました。
法務局の時間がかかったのも、初期段階でのチェックは通っており統括登記官による最終チェック時に気付き差し戻されたからとのことでした。
何千回と相続登記のチェックをしてきたであろう登記官の方でも当初見落とすような相続関係であったので、正直戸籍を見始めて間もない新米司法書士にはなかなか荷が重い案件でありました。
とはいえ法律上相続人全員の実印を集めなければならないわけですから(ちなみに発覚した残りの相続人の方の法定相続分は一人頭五百何十分の一でした)、一旦申請を取下げ足りない実印を集めてから出し直すしかありません。
もうこうなると同じ被相続人の相続人同士とはいえ、お互いに面識は全く無く、何処に居るのかも分からないという状況です。
結局あと4人分の実印を集めなければならなかったのですが、残りの相続人がどういう人かも全く分からないので(もしかしたらヤクザ屋さんで法外な押印代をふっかけてくるかもしれない)、正直相続登記が最後まで行き着くのは相当難しいだろうと途方に暮れました。
しかし、本当に幸運なことに残りの相続人の方も非常に良心的な方々で、こちらからのアプローチをご理解頂き、皆さん直ぐに手続きに協力をして下さり、わりと短期間で全ての実印が集まり申請を出し直すことができました。
次の取下げはありえないので、2度目に申請を出すときのプレッシャーといったらなかったです・・・
結果的に2度目の申請は通り、無事に相続による名義変えを完了することができました。
登記が完了したとき、本当にホッとしたことを覚えています。
依頼者の方は事務所からは離れた場所にお住まいだったのですが、仕事でこちらに来ることも多い方だったので、何度も事務所に足を運んで頂きました。
正直依頼を受けたのがベテランの先生であれば、もっとスムーズに事が運んだと思います。
なんとか結果は出たものの、プロのサービスには程遠い仕事内容でした。
終わってしまったことを悔やんでいても仕方がないので、自分にできることはこの経験を糧にして早く一人前になって、次の依頼者の方にプロのサービスが提供できるようになることだと思っています。
・・・とても思い入れの強い案件だったので、驚くほど長文になってしまいました( ̄▽ ̄;)
最後まで読んで下さった方ありがとうございますm(_ _)m
書いていて1年の終わりに反省すること仕切りでした。でも向上心を忘れないためにもよかったと思います。
新年の挨拶はきっと保井さんがして下さることを期待しつつ今年の公演の幕を下ろさせて頂きます。
本年のご観覧誠にありがとうございました。
来年も是非ともご贔屓にお願い致します☆
それでは皆様、よいお年を!!